「アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた」創世記12: 4 

アブラハムは「生まれ故郷、父の家を出て、わたしの示す地へ行け」と主に告げられた。「生まれ故郷」「父の家」とは、居心地の良い場、長く慣れ親しんだ生活、自分の居場所、拠り所だ。そこでは安心でき、周囲からの助けもあり、生活の基盤があって、何の心配も無い安定した場所だ。一つ所にとどまれば、経済的基盤もできる。つまり、そこにいれば、物心共に特に神に頼らなくても生きて行ける。

 

そこを出るという事は、主のみに拠り頼むという事だ。未知の地へ出るわけで、何があり、何が起こるかもわからない。身の危険もあるだろう。持ち物にも頼れず、人も頼りにならず、自分の知恵も判断も頼れない。ただ主だけが頼りであり、御言葉だけが行く道を示し、照らす。御言葉に導かれて歩む人生だ。

 

ある人が突如、重要なポストへの抜擢を受けた。様々な思いが巡った。「自分に出来るのか」「名誉心ではないか」「人の目が気になる」・・思いをすべて主に打ち明け、御心が成るようにと祈りに祈った。その時「あなたの父の家を出て、わたしが示す地に行け」との御声を聞いて、決心できた。 私たちもどうだろう。「故郷を出て」「親族を離れて」、神以外に依存しているものから離れて、次の領域に進めと言われているだろうか。地理的な事でなく、霊的な領域だ。信仰をもって次の段階へ進めと。その時、神ご自身があなたの故郷となり、あなたの家となって下さる。あなたも、行けと言われているだろうか。

 

・・・・・・・・・・・・主以外の様々なものに拠って立っているが、普段は、なかなか気づかない。何かの示しを受けた時に、前進を阻むものが、心の内にある事に気づく。変化を恐れ、安定を願う思い、先が見えない不安・・、しかし主だけを頼って、一歩を踏み出す時、新たに主を体験して行く。