「主があなたのしたことに報いてくださるように・・あなたがその翼の下に避け所を求めて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように」ルツ2:12

飢饉から逃れるために、エリメレクとナオミは偶像の地モアブに移った。二人の息子はそこで妻をめとったが、夫エリメレクも息子たちも死んでしまった。当時は男性社会であり、残された女性は危機的状況であった。「主が民を顧みて」郷里が豊作になった事を聞き、ナオミは帰郷の決心をする。二人の嫁が途中までついて来たが、ナオミは彼女たちを気遣い、実家へ戻るよう強く勧めた。

 

その時ルツの強い決心は変わらなかった。「あなたの神は私の神」とはルツの信仰であった。生まれ故郷を捨て、異国の地へと、とんでもないほどの大変な決断であった。ナオミは「主の御手が下った」と状況を受け止めていたが、帰郷すると、私をマラ(苦しみ)と呼べと言い、主が私をひどい苦しみに会わせ、素手で帰されたと言った。

 

だがすべてが逆方向へと向かい、希望と喜び、祝福へと変えられて行く。丁度時期が「大麦の刈り入れの始まる頃」であり、ルツは落穂拾いに出て、生計の手段が備えられていた。「はからずもボアズの畑」であり、「ちょうど、ボアズがやって来て」、懸命に働くルツに目を留める。ボアズの親切と配慮を受ける事になる。

 

これらすべてが、偶然は一つもなく、主の働きによるものだった。結果的にルツとボアズは結婚に至り、ルツはイエス・キリストの先祖となる。素手で帰ったナオミは、その手で孫を抱く事になる。まことの神に従った結果だった。主の御翼の下に、身を寄せる者を、主はどこまでも守られる。

 

----------------偶然と思われるものの後ろに神がおられ、時も場所も人も備えて、祝福に導いてくださっている。今は不安の中であっても全てを働かせて益としてくださる神の摂理の中だ。どこまでも頼っていよう。