アブラハムと女奴隷ハガルとの間に生まれたイシマエルが、イサクをからかっていた。それを見たサラは「このはしためを、その子を追い出してください。このはしための子はわたしの子イサクといっしょに、跡取りになるべきではない」とアブラハムに迫った。サラの嫉妬から出た言葉であったが、言い分は正当であった。
しかし、イサクと同様にイシマエルもまた自分の実子であり、愛する息子であり、アブラハムは悩みに悩んだ。どうすれば良いのか。イシマエルを追い出す事は忍びない。苦しい状況だ。主の御心はどこにあり、どうする事が正しいのか、切に主に求めた。「すると、神はアブラハムに仰せられた。」主は答えを下さった。
悩んではならない。サラが言う通りに聞き入れるようにと。しかし、イシマエルも、一つの国民とする。あなたの子なのだからと。主からの明確な答えがあったので、アブラハムは従うことができた。翌朝早く、パンと水の皮袋をハガルに与え、イシマエルと共に送り出した。荒野をさまよい歩き、水が尽きた時、ハガルは子供が死ぬのを見たくないと、離れて座り、声を上げて泣いた。
しかし、神の使いから「あの子を大いなる国民とする」との励ましを受け、神により目が開かれると、ハガルはそこに井戸を見つけた。神はイシマエルをも顧みられた。苦しみの時、悩みの時は、判断を主に求め、従おう。主は答え、道を示し、必ず導いて下さる。
--------------悩みに悩んでも決断を下せなかった問題に神は答えを出してくださった。アブラハムはどれ程安堵したことだろう。あわれみ深い神に御心を求めえて祈ろう。