「彼のことばがそのとおりになる時まで、主のことばは彼をためした」詩篇105:19

ヨセフは、主から夢を通して、将来偉大になり、大きく用いられると語られていた。しかし現実は正反対だった。父は、ヨセフを偏愛し、長子が着る袖付き長服を着せていた。兄たちは、父がヨセフばかりを可愛がるので嫉妬した。それに加えて、ヨセフが将来兄たちが自分にひれ伏すという夢を見たと語った事から、嫉妬は憎しみに増幅し、殺意になって行った。

 

ある時、野原で兄たちはヨセフを殺そうとしたが長兄が止め、隊商に売り渡した。ヨセフはエジプトで奴隷となった。主からの言葉とは逆行している現実。そこで忠実に懸命に働き、主人から認められ信頼を託されるが、主人の妻からの濡れ衣で、投獄となり、奴隷より更に悪い囚人となった。激しいアップダウンの人生だ。

 

「彼をためした」、試すとは精錬する事だ。金が、火を通して精錬されるように、厳しい逆境の苦難の火の中で、精錬された。不純物を溶かし、取り除いて行かれた。神の器に選ばれていたヨセフは、練られ、鍛えられ、整えられて行った。父の偏愛を受けたヨセフも、兄たちの悪い噂を父に告げ、一人長服を着て、人の気持ちがわからない。器として矯正が必要だった。

 

厳しい苦難を通して砕かれ、へりくだらされ、造り上げられて行った。紆余曲折を経て、やがて総理大臣として立てられて行った。ヤコブ一族の救いのために用いられ、神の言葉がその通りに成就した。今、試練の中だろうか。しかし神の言葉は必ず実現する。

 

-----------自分の力で抜け出せない境遇で、少しずつ、少しずつより神に頼る者とされ御心の形に整えられる。今の問題も神からのものと受け取りなおそう。神に慰められ、励まされ、力を受ける。