「ところが、一タラント預かった者は、出て行くと、地を掘って、その主人の金を隠した」マタイ25:18

主人から一タラント任されたしもべが、タラントを地の中に埋めた。主人を「ひどい方」と言っている。主人が怖いので、地中に隠したと。しかし、主人の言葉通り、それを銀行に預けておけば、何もしなくとも利息が手にできた。実は、このしもべは、主人を信頼していなかった。

 

そのため失敗を恐れて何もしなかった。 そしてこんな主人のために、何かをしたいなどと思わなかった。言われた通り一タラントを預かっておいた。失敗して減らしでもしようなら、どんな仕打ちを受けるか。このまま返すのだから、文句は無いだろうとの態度だ。主人に関わりたくないし、自分に関わって欲しくない。しかし彼は、主人の心を何もわかっていなかった。

 

要求ばかりする酷い主人、自分から奪い取る冷酷な相手。しかし主人を誤解している。一タラント、三千万円を預けるとは、大変な信頼だ。主人は独り子をも惜しみなく与えて下さったお方だ。奪い取るのでなく、与えて施して下さるばかりの方だ。「主人の喜びをともに喜んでくれ」、しもべを心から愛し、喜んでいる主人だ。その主人の愛が何もわかっていなかった。

 

「良い忠実なしもべ」と言い、主は「忠実」を見ておられる。成功、失敗ではない。失敗したとしても、その忠実さを喜んで下さる。二、五タラントの者はそれを知っていたから、自由に生き生きと喜んで働く事ができた。何もしないままだろうか。タラントを用いて行けるように祈ろう。

 

-------------失敗しても主は愛をもって受け入れてくださる。無関心で主を悲しませないよう、預けられている多くのものに主を感じて生きよう。感謝と喜びをもって御心に用いていただこう。