「そして、見よ。主が彼のかたわらに立っておられた・・わたしはあなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫に与えよう」創世記28:13

ヤコブは父親と兄を騙し、兄の怒りを買い、家におれなくなり、遠く伯父のもとへと逃げる。途中の荒野で、独りぼっちで野宿をする。今後の不安や恐れ、又、寂しさや孤独に襲われただろう。そんな時、主が現れ「この地であなたの子孫は増え広がり、あなたを祝福する。わたしが共にあり、どこへ行っても守り、この地に連れ戻す。約束が成就するまで、あなたを捨てない」と語られる。

 

主の言葉は必ず実現する。主はヤコブを握り、決して放さず、成し遂げられる。伯父ラバンのもとに身を寄せるが、この伯父がしたたかであり、ヤコブは非常に厳しい訓練を受ける事になる。ラバンに騙され、レアとラケルという二人の妻のために14年の労働を強いられる。更にラバンの群れを飼うために6年間、寒さと暑さに悩まされ、20年のつらく苦しい労働をする。

 

父と兄を騙したヤコブはラバンに騙される事になった。苦しい訓練だ。しかしその中にも、主は共にいて、ヤコブを堅く守られた。やがて神の時が到来して、故郷に帰るが、エサウが恐ろしくてたまらない。復讐され皆殺しにされるのでは。策を練り、対応するが、最後の心の奥底にある恐怖がどうにもならない。

 

ヤコブの問題は、「人を押しのける者」との強固な自我、自己中心にあった。とうとう神が主権を取り、ヤボクの渡しで、ヤコブを粉々に砕かれる。自分の策略と自分の力で生きて来たヤコブが、自分で立てず、神に拠りすがる者に変えられた。神は握った者を決して放されず、約束を成し遂げられる。私たち一人一人もしっかり握っていて下さる。

 

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懲らしめは主の愛だ。様々な環境を用いて、私たちを訓練し、砕き、練り、聖めて行って下さる。主が握られたヤコブを放さず、造り上げられたように、私たちも握って放されない。御霊の実を結ばせて下さる。目の前の訓練を受け入れられるよう、祈ろう。