「ナオミは、ルツが自分といっしょに行こうと堅く決心しているのを見ると、もうそれ以上は何も言わなかった」ルツ1:18

飢饉時にナオミは、ベツレヘムを去り偶像の地モアブへ。家族のためにおるべき所から離れたが、その家族は亡くなった。ナオミと二人の嫁が残された。やがて故郷が豊作と聞き、帰郷の決心をする。嫁たちに実家に戻るよう強く勧めるが、ルツだけは姑にすがりついて離れなかった。「あなたの神は、私の神」と、異邦人のルツがその背後に生けるまことの神を見ていた。

 

信仰ゆえの決断であった。主に従うために、故郷を離れ、見知らぬ異国の地に姑とやって来た。ナオミは、自分は満ち足りて出て行ったが、素手で戻ったと、苦しい日々であった事を故郷の人々に話した。しかしナオミが神に立ち返る決心をした時から、すでに大きな祝福が備えられていた。

 

帰郷が丁度「大麦の刈り入れの始まった頃」だった。生計を立てるために、ルツは落ち穂拾いに出た。刈る人たちの後について拾い集めたが、それが「はからずも、ボアズの畑」だった。「丁度その時、ボアズが来た」ボアズは、懸命に身を粉にして働くルツに目が留まった。親切にルツに対応した。ルツの行く先を祈り考えていたナオミを通して、ルツはボアズとの結婚へと導かれた。

 

そしてダビデ王の曾祖母となり、主イエスの先祖となった。キリスト誕生の系図に入れられるという想像を遙かに超えた大きな恵みにあずかった。主を信じ、御手に委ねて行く者を、主がどんなに祝福して下さるかを見せられる。「ご自分の民を顧みて」いて下さる主を信頼し従おう。思いを超えた祝福が備えられている。

 

・・・・・・・・・・ナオミは饑饉の時に、おるべき場所から離れてしまった。自分をマラ(苦しみ)と呼ぶようにとの苦しい歳月だったが、立ち返る決心をした時にすでに大いなる祝福が備えられていた。何よりも「ルツ」が与えられていた。私たちへの主のあわれみは深く、尽きない。