「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる」詩篇37:5

サウルが罪を犯した時に、サウル王に代わって、主からダビデが選ばれた。サムエルがエッサイのもとに遣わされ、羊飼い少年ダビデに会った。ダビデはサムエルから油注ぎを受け、主の霊がダビデの上に激しく下った。イスラエルの王と決められていたが、厳しい下積み時代があった。ダビデは忠実に、主に仕え、サウル王に仕えた。

 

ゴリアテを倒したまではサウルの愛顧を受け良かったが、ダビデの戦いでの連戦連勝で、サウルの妬みをかう事になった。女たちが笑いながらくり返し「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った」と歌った。これがサウルを激怒させた。「サウルは千を打ち」だけなら良いが「ダビデが万」がサウルのプライドをひどく傷つけた。 結果、サウルはダビデに殺意を抱き、つけ狙うようになった。ダビデは槍を投げつけられた事もあった。いつ殺されるかわからない、「私と死との間には、ただの一歩の隔たりしかない」日々だった。どんなに恐怖で不安だったろう。ダビデはサウル王に悪い事は何もしていない。むしろ忠実な良い部下であった。

 

しかしこの試練により、ダビデの忍耐と信仰は練られ培われた。サウルを殺害する機会があったが、自分で手を下す事をせず、ただじっと主を待ち望んだ。この厳しい苦しい試練を通して、委ねる生き方を学ばされた。私たちも極めて厳しい状況を通る。それは委ねる事を学ばされるためだ。これは実地訓練であり、通らなければ、決して身につかない。様々試練を通して、培おうとして下さっている。

 

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ダビデは自らの手で油注がれた王にいっさい反撃せず、復讐もせず、ただ逃げて、ひたすら逃げ回った。非常に苦しい試練の中で、主に委ねる事の訓練を受けた。私たちも、委ねざるを得ない厳しい状況に置かれた事が、むしろ恵みであったと必ず後に知れる。