「ヤコブ自身は、彼らの先に立って進んだ。彼は、兄に近づくまで、七回も地に伏しておじぎをした」創世記33:3

ヤコブは、父イサクと兄エサウを欺いて、祝福を奪った。エサウは激怒し、ヤコブを殺そうとした。そのためヤコブは家におれなくなり、遠く伯父ラバンのもとに身を寄せた。そこで伯父ラバンに騙される。ラケルと結婚したくて、ラバンの要求通り、7年の労働をしたが、与えられたのは姉のレアだった。

 

それからラケルのために更に7年労働し、つらい苦しい20年を過ごした。やがて、主より帰郷するようにとの示しがあり、ラバンのもとを後にする。故郷が近づくや、非常な恐怖に襲われる。以前、激怒し自分を殺害しようとした兄エサウに、家族が、皆殺しにされるのでは。幾ら祈っても祈っても、その恐怖はどうにもならなかった。

 

策を練り、しもべたちを先頭に、次に家族を行かせ、川を渡らせ、自分一人がヤボクの渡しに残った。ヤコブとは「押しのける」との意味だが、自我が強く、人を押しのけて、神をも押しのけて、自分の知恵と策略、自分の力でずっと生きた来た。しかし自分ではどうにもならない、恐怖に囚われ、絶体絶命の窮地だった。

 

その時に、神が、ヤコブと格闘をしかけて来られ、ヤコブに勝てないのを見てとり、もものつがいをはずされた。ヤコブが一撃で自我が砕かれた。その時、名前をヤコブ(押しのける)でなく、イスラエル(神が戦う)とされた。そしてその場でヤコブは祝福を受けた。この時に、ヤコブは、兄に対する恐れが消えてしまったのだ。

 

最後尾で怯えていたヤコブが、先頭に立って兄に会いに行った。ヤコブは変えられた。兄弟は和解がなされた。主は私たちをも同じように取り扱い、成長へと導いて下さる。今、取り扱いが来ているだろうか。

 

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神の訓練は最善とわかっていても避けて通りたいが、神はヤコブの時と変わらず自我の塊の私たちと格闘して下さっている。成長を願い関わり続けて下さる神の訓練は、決して怖くはないと思える。

 

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係