「主は彼に仰せられた。『あなたの手にあるそれは何か』彼は答えた。『杖です』」出エジプト4:2

多くの人が、何かが起きた時に、悲観的思考に傾くと言われている。ネガティブな思いへと進んでしまう。私たちも、主から目を離すと、無いものばかりに、心が向きがちだ。無いものを数えてしまう。あれが無い、これも無い。能力が無い、時間も労力も無い、財も無い・・だからだめだと、心沈み落ち込んで行ってしまう。

 

無いものでなく、あるものを見よと主は言われる。田原米子さんは、母親が亡くなった虚しさに自殺を図り、片腕と両足を失い、3本の指だけが残った。絶望し、次は確実に死のうと計画した。そんな中、宣教師の訪問により主に出会った。主を受け入れた時に、突然、光が来て「指が3本もある!」と思った。「3本しか無い」から「3本もある」へ転換が起きた。

 

星野富弘さんも首から下が動かない身体になった時に、人生に絶望した。先も全く見えず真っ暗だった。持って行き場の無い苦しみ、煩悶を母親にぶつけて当たっていたと。そして聖書に触れ、神に出会った時に、「首から下が動かない」から「首から上は動く」に思いが変わった。自分にできる事をして行った時に、多くの人の慰めと励ましのために素晴らしく用いられて行った。

 

私たちは無意識にも、無いものばかりに目が行ってないか。必ず主は何かを与えておられる。何もないと思ったモーセには、羊飼いの杖があった。少年は5つのパンと2匹の魚を持っていた。それを主のもとに携える時に、大きなみわざをされ、周囲の人々も神を知るようになる。あなたの手にも、必ず何かが与えられている。それを主のもとに携えよう。

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心が荒んでいく時、無い物を数えている事に気づく。今、手の中に与えられている物、また注がれているのに気づかずにいる恵みにも感謝し、主に十二分に用いていただこう。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係