「こうして彼らは湖の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた」マルコ5:1

弟子たちは、夕刻になって、主に「向こう岸に渡ろう」と言われる。その御声に従い、舟を漕ぎ出すと、途上で激しい嵐に会った。嵐には慣れているはずのベテラン漁師たちも、死ぬかと思うほどの激しい嵐だった。主の御心に従うと、大変な嵐に会った。主が与えられた試練だった。

 

しかし嵐の中で、主が湖に向かって「黙れ、静まれ」との、ひと言葉で、風がピタリと止み、あの大嵐が静まった。余りにも驚いた弟子たちは、大きな恐怖に包まれて、「風や湖までもが言うことをきくとは、一体この方はどういう方だろう」と言った。御心に従わず岸にとどまっておれば、嵐に会う事もなかったが、この主が神の子である事、自然界をも支配されていることを知る事もなかった。

 

アブラハムも主から「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい」と言われた。「そうすれば、あなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し・・」と。あなたにも、「向こう岸へ渡れ」「あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行け」と言われているだろうか。心地良い今の場所、安らかな場、安定した生活を捨てて、新しい御心へと導かれているだろうか。

 

まだ見た事もない世界、不安や恐れがあるかも知れない。今の居心地の良い場を離れたくない。しかし主は、新しい世界に導き出して下さり、信仰を試され、訓練、鍛錬し、信仰を成長させて下さる。あなたの「向こう岸」、「わたしの示す地」は、新しい働きか、誰かを赦す事か、和解か、新たな環境に次の段階に進む事か。向こう岸へ渡ろうと言われた主は、必ず向こう岸に着地させて下さる。

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新しい世界には不安と同時に、新しい発見と祝福が備えられている。自分にとっての新境地とは何だろうか。主に尋ね、御声を聞いたなら信仰をもって踏み出そう。主は次の一歩を与えてくださる。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係