「『立ってこの場所から出て行きなさい。主がこの町を滅ぼそうとしておられるから』しかし、彼の婿たちは、それは冗談のように思われた」創世記19:14

ソドムの町は宗教的堕落、不道徳、不品行、混乱、と極めて罪深く、主から滅ぼされようとしていた。その前に主は、ロトに二人の御使いを送り、家族を連れ出すよう言われた。一刻を争う、差し迫った危急の状況だ。そこでロトは娘婿たちにその事を伝えるが、信じるどころか、何と、彼らはそれを冗談だと思った。

 

彼らは普段のロトの生活や価値観を見ていた。世からの賞賛を、世の栄誉を手にし、世を享受していて、突然、そのロトに、世が滅びると言われても「何を冗談を」としか思えなかった。そしてその婿たちを目にして、ロト自身すら、逃げる事を「ためらった」のだ。財産はどうなる? 今まで築き上げた名誉、地位は? 世への強い執着心で踏み出せない。

 

もう間に合わないと、御使いが、彼と彼の妻と二人の娘の手をつかんで連れ出した。主の彼らに対するあわれみだった。「命がけで逃げよ。後ろを振り返るな」と。しかしロトの妻は途中で、後ろを振り返ったのだ。その結果、塩の柱になってしまった。この世への執着が、未練が、断ち切れなかった。そして二人の娘はソドムの深い罪の影響を受けていて、父親と近親相姦の罪を犯した。

 

ロトは堕落した地でも「自分さえしっかりしていたら大丈夫」と思ったろう。しかし少しずつ少しずつ影響を受けて、命取りになってしまった。悪魔は少しずつ少しずつ巧妙に世に引き込む。決して大丈夫ではない事をわきまえ、自らの弱さを認め、主に拠りすがり、絶えず祈っていよう。その時に守られる。

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ロトと同じように楽な方へとなびいて行く者だ。後ろを見てはぐずぐずせず、ただ主のあわれみに拠りすがって、ひたすら逃げよう。後へ戻るなと主は言われる。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係