「ザアカイ。急いで降りて来なさい。きょうは、あなたの家に泊まることにしてあるから」ルカ19:5

ザアカイは、富が自分を満たしてくれると信じていた。富があれば、何でも買う事が出来て、手に入れる事が出来る。富が自分の夢を実現させてくれ、又、自分の生活を保障してくれる。富さえあれば幸せになれると。しかし富は自分を裏切るに十分だった。決して幸せにはしてくれなかった。喜びも平安も、心の満たしも与えてはくれなかった。

 

莫大な資産があっても、虚しさと寂しさと孤独はどうしようも無かった。不正をし、私腹を肥やしている後ろめたさは、心に影を落とし、心を暗いものにしていた。そんな頃、主の噂を耳にした。罪人と食事を共にし、取税人や遊女を目に留め、愛して下さるお方、この方なら、自分の心の奥の求めに答え、虚しい心を満たして下さるのではないか。

 

しかし人垣で会えない中、決して諦めず、そばの木に登った。どこまでも求め続けた。すると主の方から「ザアカイ」と名を呼ばれ、あなたの家に泊まると。つまり、ザアカイを全面的に受け入れられた。ザアカイは自分の名を知っておられる主に、どんなに驚いた事だろう。そしてどんなに嬉しかった事だろう。主は、切に主を求めるたましいをご存じだ。

 

その心の渇きとあがきをご存じで、主の方から御声をかけて下さる。5回結婚をして、今は、同棲中のサマリヤの女性の、埋まる事のない心の奥の渇きもご存じだった。女性の必要を満たすために、わざわざサマリアを経由され、女性に御声をかけられた。主への求めは、必ず主が満たして下さる。主に向いて求めて行こう。

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主を信じていると言っても、心の全てを主で満たしていると言えるだろうか。何かに頼り、心を寄せては失ったり裏切られたりする。主は変わらず満たし続けてくださる。主に向かおう。

 

 発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係