「行ってシュシャンにいるユダヤ人をみな集め、私のために断食をしてください・・たとい法令にそむいても私は王のところへまいります。私は、死ななければならないのでしたら、死にます」エステル3:16 

エステルは父母に死別し、養父モルデカイに育てられた。そのエステルが、王妃ワシュテイが退けられた時に、次の王妃に選ばれた。そしてそんな中、ハマンがユダヤ民族絶滅の陰謀を企てた時に、モルデカイの指示で、この王妃エステルが動いた。結果的に、命がけで、「王のところに行って、自分の民族のために王にあわれみを求め」たので、ハマンの悪巧みは見事に阻止された。

 

王妃であり、自分には隠れみのになる地位がある。しかし彼女は同胞を救うため、「私は、死ななければならないのでしたら、死にます」と、自らの命をかけて、王に同胞の救いを求めた。エステルを通して学ぶ事ができる。捕囚の民として異国で生まれたのも、王妃になったのも、この大きな危機のためかも知れない。

 

同胞を救うために、主のエステルへの配剤であり、過去も現在も環境のすべてを支配し、エステルを王宮のその所に置かれた。私たちも同様だ。成育歴が、皆、異なる。置かれた環境も、それぞれ全く違う。しかし、どのようなものであれ、今に至るまでの過程は、神の摂理であり、神のご計画だ。今、思い通りでない場所、厳しい現実であっても、今の場で神の御心があり、ご計画がある。

 

その所で、あなたへの使命がある。エステルは困難な状況で、死を覚悟して、自分自身を全く神に明け渡した。危急の事態が起きた時、方策や解決手段を必死に捜し求める。しかし、方法ではなく、神は全く明け渡した人を通して、ご自身のみわざをされる。

 今の場は、神が遣わされた場。目に見えるところでなく、神の視点に立ち、御言葉に立ち、なすべき事を祈って行こう。

 

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後になれば、神の時に、それぞれのピースが完璧に埋まって、パズルが完成し、「ああ、こういう事だったのか」とわかる。全部のピースが必要であり、一つ欠けても完成しない。主に一つの無駄も無い。今は見えなくとも、主を信じて、目には見えない所を見て行こう。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係