「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたし が示す地に行きなさい」創世記12:1

アブラハムの父テラが、出身地のウルを出て、カナンへと旅立った。しかしカランまでやって来て、そこに住みつき、そこでテラは亡くなった。その父を葬ったカランで、アブラハムは主の御声を聞いた。「あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしの示す地へ行け」と。人間の事情に関係なく、主の一方的な選びと召しであった。

 

アブラハムは75歳の時に、主の召しに従い、一族と共にカランを出て、カナンの地を目指した。ただ主の御声に従った。アブラハムの信仰だった。信仰とは主の御声を聞いて、主に信頼して従うことだ。「生まれ故郷」とは、自分の心のふるさとでもあり、心地良い場、居場所、慣れ親しんだ生活、自分の拠り所だ。

 

そこは安心できて、周囲とも良い交流があり、生活の基盤が据えられていて、安定した場所だ。そこにとどまれば、経済的基盤もできている。そこなら、物心共に主に頼らずとも生きて行ける。その安定した場を出るという事は、それらをすべて捨てる事であり、ただただ主のみに拠り頼むという事だ。非常に大きな決心だ。

 

見知らぬ地へ向かうので、何が起こるかも全くわからず、身の危険もあるだろう。持ち物にも頼れず、人も頼りにならず、自分の知恵も判断も頼れない。ただ主だけが頼りであり、主の言葉だけが行く道を示し、照らし出す。私たちも「生まれ故郷を出て」、主以外に大きく依存しているものから離れて、主だけを頼り、前進せよと言われているだろうか。大きな祝福が備えられている。

-------------

主の他に心に信頼を寄せているものがいくつもある。それなら主の導き自体がわからないかも知れない。いつでも新しい道に旅だてるよう身も心も身軽にしていたい。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係