「あなたは私のともしびをともされ、主、私の神は、私のやみを照らされます」詩篇18:28

ある人が、念願であった海外留学が決まり、皆に、盛大な送別会で見送られ、喜び勇んで出発した。ところが生活も軌道に乗って来た頃、書類上の不手際が判明し、これ以上滞在が不可能との事態になった。自らのミスによるものであり、よく説明し、何度も交渉するが、どうやっても継続滞在の許可が下りなかった。

 

主の御心だと思って来たのに、なぜこんな事に? 自分の落ち度なのだが、悶々状態で、どうすればよいのか、主の御前に必死に祈った。その時に心の内が照らされた。どうしても帰りたくないのだが、それは主の御心どうこうなどで無く、今、帰ると、人にどう思われるか、人に何と言われるか、笑われるのでは、それしか心に無い事に気づかされた。

 

プライドであり、どこまでも人の目だった。人目に恥ずかしい、どんな顔で帰ればよいのか、人を恐れている自分を示された。それなら、表では御心、御心と言いつつ、主と、主の御心など無く、自分の事だけではないか。心から悔い改めた。その時、あんなに悶々とし、混乱していた心に、平安が与えられ、心がすっきりした。

 

主の平安さえあれば、人にどう思われようと構わない。恐れが消えて、帰国の決心がついた。そうしていると驚くべき事に、突然滞在許可が下りた。事情を知った現地の知人たちが、手を尽くしてくれたのだ。公的機関を走り回り、書類をすべて整えてくれた。だが、何より主の取り扱いに心から感謝した。

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主は私たちの道を完全にされる。心の内を照らされ、真っ直ぐにし、真に主を賛美できるようにしてくださる。御前に助けを求めよう。声は、御耳に届いている。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係