「主はサタンに仰せられた『では、彼のすべての持ち物をおまえの手に任せよう。ただ彼の身に手を伸ばしてはならない』」ヨブ1:12

サタンは、神のように全知全能ではない。サタンはあくまでも被造物だ。全主権は主にある。サタンは、主の許可の範囲内でしか働けない。ヨブ記にあるように「持ち物はよいが、身に手を伸ばすな」と。持ち物に限定で、身体は触れる事が出来ない。次にサタンに「身体はいいが、命には触れるな」。身体に限定だ。主が限度を定め、その限度内でしか働けない。

 

12弟子の1人であるユダは、銀貨30枚で主を売った。その結果、主は捕らえられた。「サタンがユダの心に、主を売ろうとする思いを入れた」とあり、サタンが思いを入れ、ユダはそのサタンの思いに同調し、行動に移した。全能の主は、サタン阻止は可能だが、そのサタンすら、主の御旨の成就のために利用された。主が天でも地でも、全権を握っておられる。

 

サタンは、主を十字架の死に追いやったが、結果的に、その十字架は人類の贖いを完成させてしまった。もう決して後に戻せない。サタンもどうする事も出来ない。又、ペテロもサタンにやられてしまった。自分の弱さを知らず、自信満々で、主に従って行けると思っていた。しかしいざとなると保身に走り、主を否んでしまった。

 

だが、主はそれもご存じの上で、ペテロの将来を見据えておられた。「サタンがあなたをふるいにかける」と。ユダは悔い改めず、ペテロは悔い改めた。ペテロは粉々に砕かれ、自らの弱さを知った。サタンは働くが、主はその上におられ、背後で支配されていて、勝利へと導かれる。

 

・・・・・・・・・・

時に、次から次へと試練に会う。そんな時は、まるでサタンにほんろうされているように感じる。しかし最も肝心な事は、サタンも主の支配下であり、全主権は主にある事だ。サタンも主の許しなくして動けない。すでに勝利だ。何という安堵で、嬉しい事だろう。

 

  発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係