「もしあなたがこのような時に沈黙を守るなら、別の所から、助けと救いがユダヤ人のために起ころう」エステル4:14 

エステルは両親と死別し、親戚のモルデカイに育てられた。そのエステルが、王妃ワシュテイが退けられた後、次の王妃に選ばれた。そんな折りに、ハマンの悪巧みにより、ユダヤ民族絶滅計画が企てられた。モルデカイは、ユダヤ民族皆殺しという危急の状況に、エステルに、王にあわれみを求めるよう伝えた。

 

だがエステルは、召されずに王のもとに行く者は死刑である事、自分は王のもとに、召されていないと答えた。しかし「この王国に来たのは、もしかすると、この時のため」とのモルデカイの言葉を受け、「死ななければならないのでしたら、死にます」と決意した。皆にも断食を要請した後、エステルは、王に窮地にあるユダヤ民族の救いを求めた。

 

それは王に聞き届けられ、民は見事に民族絶滅から救われた。ここに、神の摂理を見る。捕囚の民として異国で生まれ、この時期に突然王妃とされたのも、この危機のためであった。これは王妃であるエステルだからこそ出来た事であり、他の誰にも不可能だった。その地位と立場は、主の配剤だ。主がエステルをその場に置かれた。

 

私たちも皆、成育歴や境遇が異なる。だが、どのようであれ、今に至るまでの過程は、主の摂理であり、ご計画の内だ。自分の思い通りでない現実でも、今の場所であなたへの主の御心があり、あなたの使命がある。危急時には解決策を探し、走り回るが、方法でなく、エステルのように、全く明け渡した人を通して、主は導き、ご自身のみわざをされる。

 

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ユダヤ民族を救うために、王妃の立場であったエステルだけができた事で、エステルにしか出来ない事だった。その立場にいたエステルは命がけで、御心に従った。大きなみわざが成された。今の場で主の示しがあれば従おう。大きな祝福とされる。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係