「私の賛美する神よ。黙っていないでください。彼らは邪悪な口と、欺きの口を、私に向けて開き、偽りの舌をもって、私に語ったからです。」詩篇109:1

ダビデは、愛を向けた相手になじられ、愛して行くのに、憎しみで攻撃されるという、つらく苦しい経験をした。サウル王につけ狙われ、常に死と隣り合わせだった。ダビデはサウル王に何の悪い事もしていない。むしろ忠実な素晴らしい部下だった。しかし殺害目的でずっと追われた。実子アブシャロムからも敵対され、歯向かわれ、実子であるだけに、非常なる苦悩であったろう。

 

ダビデは実子と戦わず、逃げ回った。愛や真心は通じると思いたいが、そうでない場合がある。その場合は、どうすれば良いかを、ダビデを通して学ばされる。ずっと誠意と愛情をもって接して来た人々が、敵対し、攻撃して来る。邪悪な口と、欺きの口と、偽りの舌をもって、憎しみの言葉で取り囲みと。

 

ののしり、なじって来る。非常に苦しい状況だ。しかしまさに、人間の神に対する態度そのものだ。だが御父は、敵対する者を更に追いかけ、御子まで殺して下さった。その御子を私たちはどう扱ったか。神の愛すら通じないのであれば、罪人である人間同士の愛が通じなくとも不思議はない。

 

主は十字架上で、人々の、ののしりに対してどうされたか。人々の赦しを御父に祈られた。ダビデも同じだった。「私は祈るばかりです」。これが答えだった。「祈るばかりです」。復讐し、反撃でなく、主に心の内を打ち明け、主に知って頂くことができる。心の内を叫び祈ったダビデは、この後、賛美と感謝へと変えられている。祈って行こう。

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彼の日はわずかとなり・・と続くダビデの祈りの率直さに驚く。心が怒りに吠え、嘆きで地に伏すとき、ダビデのように泣きながら主に向かって心の内を告げていこう。主は全てを聞いていてくださる。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係