「すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエス にあって神があなたがたに望んでおられることです」 Ⅰテサロニケ5:18

コーリーたちが収容されたバラックは、ノミだらけだった。姉は「すべての事について感謝しなさい」とあり、感謝を探そうと言った。「私たち姉妹で一緒におれる事」「主の奇跡で聖書を持っておれた事」更に、「ノミを感謝!」と言った。コーリーは、ノミに感謝だけは同意できない。間違いだと心の中で思った。

 

その中で、姉妹は看守の目を盗み、聖書を読む集会を開いていた。聖書は禁じられいて、看守に見つかれば殺される。しかし、一日二回、聖書を読む会は続いた。初めの内は怯えながらだったが、看守が決して寄って来ないとわかると、そこでの集会は、大人数になって行った。

 

皆で讃美歌を歌い、姉妹が順番にオランダ語の聖書を読む。するといのちの言葉が、何とドイツ語、ロシア語、フランス語、ポーランド語と順次通訳されて、再びオランダ語となって、通路を伝わった。まさに天国のようだった。絶望の中で、心荒み、自暴自棄になっていた女性たちは、み言葉を聞き、助け合うようになった。すべてを失った女性たちに、希望の光が与えられた。

 

そんなある時、姉が嬉しげに言った。「ノミが感謝である事がわかった!」と。このバラックだけ、どうして看守や作業監督が来ないのかがわかったと。「ノミのお陰なのよ」と。ノミを嫌っていっさい来ない。だから自由に安心して、聖書の集いが持てるのだと。やはり主に間違いは無かった。すべての事が感謝だった。

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今は理解できない状況でも驚くべき主の配慮と備えの中に置かれている。信仰の目で感謝していこう。気づかないで手にしている恵みに感謝しよう。どんな環境の中でも主は支えてくださっている。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係