ヨセフは兄たちにエジプトに売られたが、父親ヤコブは、ヨセフが獣に殺されたと聞き、そう思っていた。どんなに嘆き悲しんだろう。今、大饑饉で食糧も底をつき、ヤコブはエジプトへ食糧調達のため、息子らを送った。するとヨセフにシメオンを人質に捕られ、食糧を売る代わりに、弟ベニヤミンを連れて来るよう要求された。
可愛い末子ベニヤミンだ。愛するヨセフを失い、シメオンが捕らわれ、その上ベニヤミンまでも失う事になる。次々と襲う苦しみに、ヤコブはなすすべのない絶望的状況だ。ベニヤミンは放したくない。しかし食糧が無ければ、一族は餓死してしまう。もう限界だった。しかしヨセフもシメオンもベニヤミンも失うなどと、こんな悲惨な事が、我が身にふりかかっている。真っ暗だったろう。
ルベンが進言した。必ずベニヤミンを連れ帰るので、任せて欲しいと。だがヤコブは余りにもつらくて出来ない。その内、食糧も尽きた。ユダが父親を説得する。ついにヤコブは「全能の神がその方に、あなた方をあわれませてくださるように・・私も、失うときには、失うのだ」と決意した。
するとその結果は、驚くべき事に、何と死んだと思っていたヨセフが生きていて、エジプトの宰相となっていた。シメオンも無事で、全員がエジプトに呼び寄せられ、一緒に住めるとの夢のような事態に。今、光が見えず、目の前は真っ暗だろうか。だが神にはご計画があり、万事益とされる。必ず良くして下さる。トンネルは抜ける。主を信頼していよう。
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神の備えられたご計画のもとでもつらい試練はある。生涯を通して波乱の連続だったヤコブのように、試練のたびに全能の神への信頼を養われてトンネルを抜けたい。