「彼は恐れて立ち、自分のいのちを救うため立ち去った・・彼は、えにしだの木の陰にすわり、自分の死を願って・・」Ⅰ列王19:3

エリヤは、バアルの預言者たちと、正面切っての対決をした。エリヤ1人で、バアルの預言者は450人。大胆に力強く戦い、エリヤの大勝利となった。しかしその勇者が、一転、イゼベルのエリヤ殺害命令の言葉に、恐怖に支配され、怯えて落胆し、うつ症状に陥った。そして死を願ったのだった。イゼベルの言葉に飲み込まれてしまった。

 

あれだけ勇敢に戦い、死闘を繰り広げたのに、何も変わらないとの失望感。又「私は先祖たちにまさっていない」と、先祖と比較して落ち込む。だが、その根は高ぶりだ。又、「ただ、私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうと狙っている」自分だけが残ったとの間違った思い込みの中で、恐れと孤独に陥った。

 

しかし実際はそうではなかった。「わたしは七千人を残しておく」と、決して一人残ったのではないと。そんなエリヤに、主は慈しみを持って対応された。「何を不信仰な事を言っているのか。しっかりせよ」との叱咤激励、又、「そんな事でどうする」と責められたのでなく、まず十分な睡眠と食事をとらせられた。

 

心身消耗し、疲れきったエリヤを深く眠らせ、第一に休息を与えられた。充分な睡眠と食事で体力を取り戻し、力を得たエリヤは、ホレブの山まで歩けた。「すると、彼への主のことばがあった」。心身回復した時に、主の言葉が臨んだ。エリヤの問題はネガティブ思考であった。

 

自分はだめ人間、又、殺害の恐怖、何の希望も持てない絶望感・・しかし、主は、彼の間違った思考と情報を正され、「ハザエルに油をそそいで・・エフーに油をそそいで・・」と新たな使命を授けられ、再び立ち上がらせて下さった。もし心身疲れきっていたなら、まずは充分な休息が必要だろうか。

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「起きて食べなさい。旅はまだ遠いのだから」と御使いを通して主は慰め、怖れに動けなくなった者に主はあたたかく優しい。自分の弱さしか見えない時もあるが、主を信じていよう。

 

発行 広島聖書バプテスト教会 み言葉配信係